「電車」

電車というのは我々にとって非常に密接で便利な移動機関である。目的地に付くのをひたすら待っていればいいのだから。

だがしかし、ただ待ってるだけに暇が付きまとう。

皆さんは移動中どんなことをしますか?
風景を楽しむ、音楽をきく、車内広告を見る、読書をする。意外と色々なことができますね。

自分の車内でやることいえばヒューマンウォッチング。これ結構おもしろくておすすめ。

そんなヒューマンウォッチングの話…

ある日の学校帰り、俺は電車に乗り込んだ。
乗り込むドア付近の席にはホームレスらしきオッサン(自分の前に汚れた、大きめの紙袋を置いていた)が堂々と座っていた。

折り返しの電車なので普通は降りるのだが、大股開いて座っている。

俺はその向かいがわの席に座った。次々と人が乗り込み、オッサンと一個分席を空けておばさんが座り、そして大人しそうな若めの兄ちゃん(カツオとする)がまさにオッサンの隣りに座らんとしたとき…

オッサン「座ってもいいですかくれぇ言えねぇのか。」

なんて強気な言葉だろう。
自分がずうずうしい態度で座っているのに。確かにことわりをいれたほうが礼儀正しいが、オッサンに言う資格があるかは疑問だ。
そう思った瞬間…

カツオ「んん、おうぇい!」

なんとカツオ持っていたバックでオッサンを二、三度殴り、電車内から逃走!
オッサン驚きの表情を隠せない。
それはそうだ、大人しそうだったからオッサンも文句をいったのだろう。

しかしそこは図々しいオッサン、黙って見過ごすはずはない!

オッサン「まて!こらぁ!!」

すぐさまオッサン、カツオを追いかける。
しかしドアを出た頃にはカツオはすでに逃げ切れる距離。(このとき俺はこてこてのコントのような落ちを予感した)
オッサン怒りの表情。

しかたなしにオッサン電車に戻ろうとしたそのとき…

『ティロンリロン♪ティロンリロン♪』

オッサン、ハッとするも時すでに遅し。

アナウンス「○○線ドアが閉まります。閉まるドアにご注意ください。」

(ドアが閉まる音)『プシュー』

オッサン大狼狽!!ただその場に立ちつくす。

電車はオッサンを置いて、オッサンの荷物を終点まで宅配することとなった…

オッサンと、オッサンの生活用品が入った紙袋がその後どうなったかは、
知る術もないしどうでもいい。

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